コールドゲーム10話ネタバレと感想!スミレがアーサーに惹かれ始め…?

    コールドゲームのネタバレと感想

    別冊フレンドに大人気連載中の和泉かねよし先生の漫画『コールドゲーム』。

    今回は最新話10話のネタバレと感想を語ります!

     

    前9話までの『コールドゲーム』は、身分を偽り、身代わりであるカミラの護衛騎士となったスミレでした。

    E国王でありながら、従兄弟のケイと入れ替わっている変わり者のアーサー。

    囚われの身となったスミレの引き渡し場所に来たアーサーは、見事スミレを取り戻し…!?

     

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    目 次

    コールドゲーム(漫画)最新話10話のネタバレ

    「俺が、おまえの王だ」

    前回の第9話、唐突に身分を明かしたアーサー。

    なかなか信じようとしないスミレに、世話役であるエドワードから説明させます。

    そこでスミレは、アーサーが王子の頃からあまり王都におらず、王位についてからは身代わりを立てていることを知ります。

    結局、エドワードもアーサーについて詳しくは知らないのでした。

     

    説明を聞いてもなかなか信じられないスミレ。

    しかし、アーサーと話すうち、彼の言っていることが本当なのかと思い始めます。

    アーサーの聡明さに触れたスミレは、自らの正体に気づかれたかと不安を抱きますが、実際には単に気に入られただけのよう。

     

    その後、アーサーとエドワードに訓練され、少しずつ成長するスミレ。

    しかし、困ったことが起こります。

    スミレの身代わりであるカミラが、突然城から姿を消してしまったのです。

     

    臆病なカミラはE国から逃げ出すよう、スミレに懇願していました。

    それはもう、狂気すら感じるような必死さでした。

    その度に、冷静になるよう諭してきたスミレ。

    ですが、日を追うごとにカミラは追い詰められていったのでしょう。

     

    不安に押しつぶされたカミラは、スミレを見限ってひとり逃げ出してしまったのか?

    第9話の最後のページでは、港町はずれでカミラと同じ衣装の少女が倒れており、狼(野犬?)に囲まれている様子が描写されていました。

     

    もしかしてカミラは、なにかの陰謀に巻き込まれ、殺されてしまったのでしょうか…。

     

    カミラの犯した罪の重さ、抗うスミレのとった行動とは…?

    周囲は敵だらけ、気の抜けないE国で、アーサーと繋がりを持ったスミレ。

    カミラが行方不明になったことの重大さを考えたスミレは、このことをまず世話役のアデールとエドワードに話します。

     

    世話を任されていた王妃が勝手に帰国したと知り、アデールは半狂乱に。

    このことが露見すれば、ヒューズ家だって重い処罰を受けるのです。

    アデールよりも冷静なエドワードは、スミレと一緒にカミラを連れ戻すことを確認します。

     

    二人は、王妃探しの許可を得るため、アーサーとその身代わりであるケイに面会しました。

    カミラはスミレに書置きを残しており、そこには自治都市フラドルから船で帰国する旨が綴られていました。

     

    世情に詳しいアーサーは、フラドルがいかに厄介な都市かを説明します。

    フラドルを支配しているのは、領主でも王でもなく『金』であること。

    万が一フラドルがカミラの逃亡に手を貸しているのであれば、一筋縄ではいきません。

     

    そこへケイが口を挟みます。

    「おまえの言うことは本当か?」

    ケイは、王妃の一番の側近であるはずのスミレに不信の目を向けます。

     

    連れ戻せば罰せられる可能性があるのに、主を探し出そうとするスミレを不忠者と呼びました。

    「おまえは誰の味方だ」と。

     

    対するスミレは、アーサーが王妃に生き残ってもらいたいと言った言葉を持ち出しました。

    B国王女に利用価値があると考えている間は、アーサーはカミラを弑さないと賭けたのです。

     

    「はずれたら?」

    「死ぬんじゃないですか?」

    冷徹な表情で言い放つアーサーにスミレはきっぱりと答えます。

    そして、持論を次々に展開していくのです。

     

    無謀な逃亡を企てたカミラ。

    もしもこれが、カミラが悩んで手をつくし、死地のなかに生路を見出したが故の逃亡であれば、スミレは一緒に逃げたでしょう。

    しかし、この逃亡は違います。

     

    「アルナ(カミラ)様のために死ぬのは構いませんが、アルナ様のせいで死ぬのは嫌です!」

    背筋を伸ばし、堂々と言い放つスミレ。

    彼女を見て、厳しい顔をしていたアーサーは笑い出しました。

     

    「ケイ、おまえよりよほど正直だぞ、この女。じゃあ紹介状よろしくな」

    呆れるケイをよそに、アーサーはてきぱきと旅の準備を指示します。

    なんと、カミラ探しにアーサーもついて行くと言うのです。

     

    アーサーの目的は、どうやら王妃ではなくフラドルのよう。

    ですが、結局政務などを押し付けられるケイはたまったものではありません。

    また、王自ら出向く危険性を大きな声で指摘しましたが、アーサーは聞き入れなかったようです。

     

     

    アーサーに惹かれはじめるスミレ

    偽名の通行証を持った三人は、その後無事フラドルに入りました。

    しかし、王の紹介状を見せたフラドルの親方代表・ケイネスには怪訝な目を向けられます。

    紹介状には真実が伏せられ、レスタト家の遠縁のお嬢様がさらわれたと書かれていました。

     

    しかし、王家でもない家の娘探しに王の紹介状。

    そして、南のレスタト家であるのに北のなまりがある家臣。

    ケイネスは何もかもが妙だと言います。

     

    そこへ、アーサーが口を出します。

    「それより船、いくらなんでも少なすぎるな。どこへ隠した」

    水路などに船が見当たらないことを言うのです。

    指摘を受けたケイネスは、治安の悪化が原因で出入国が一昔前の十分の一に減ってしまったと答えます。

    ですが、アーサーは納得しません。

     

    「…にしては豊かだ」

    「そこまで急激に収入が減ったら、どこかしら街は荒むはずだが」

    国内ではとてもつくれないような透明度のガラスに触れながら、「隠し港でもあるのかな?」と核心に触れました。

     

    するとケイネスは「妙なことなど何もございませんよ」と自らの頭をたたき、それを聞いたアーサーは「俺達も妙なことは何もないんだ」と言ってその場をやりすごしました。

     

    ケイネスの元から離れた一行は、アーサーの話術に感心しつつ、宿舎へと案内されます。

    そこで、案内役の男にスミレは名を呼ばれます。

    スミレは男に見覚えはありません。

    男は、「あまりに美しいスミレ色の瞳だったものですから…」とその場を誤魔化します。

     

    男はスミレとの会話で、夜の街の案内役を買って出ました。

    夕刻迎えに来ると言って立ち去ろうとする男を追おうとしたスミレでしたが、エドワードに呼び止められます。

     

    エドワードは、危険がないか点検をするため、一足先に宿へ入ると言います。

    どこかで待っておくように言われたスミレとアーサー。

    しかし、アーサーはさっさと一人で歩いて行ってしまいます。

    慌ててスミレは追いかけます。

     

    二人は、海にやって来ました。

    アーサーの不用心さを注意するスミレですが、アーサーはだからこそだと言います。

    たとえば街中であれば、どこに人の耳があるかわかりません。

    しかし、海ならば近づいて来る人間は一目瞭然で、警戒もしやすいのです。

     

    それを聞き、自分の未熟さをスミレは思い知ります。

    そんなスミレに、アーサーは諭すように、自らのことを語りました。

    こどもの頃はピーピー泣いていたと。

     

    しかし、戦場に送られたアーサーは、人の死が当たり前になってしまいました。

    誰かの首が落ちるのも平気になってしまった。

    そのことをスミレに悲しいかと問われ、「どうだろうな」と答えたアーサー。

     

    足元の小石を拾うと、

    「こんな石ころでさえ、波にもまれれば形をかえる。変わらぬものなどないのだろう」

    そう寂しそうに言いました。

     

    アーサーの孤独に思いを馳せたスミレは、彼の手にある石を欲しました。

    ただの石ころを欲しがるスミレを不思議に思うアーサー。

    けれど、石を手にしたスミレから、

    「魅力的な王と思っておりますよ。本当です」

    と微笑まれ、からかわれていると複雑そうです。

     

    スミレは身分を隠して女騎士となっています。

    本来であれば、アーサーの妃として宝石を贈られていたでしょう。

    いつか、石ころを眺めながらアーサーを思い出す。

    そんな穏やかな時が来るといいと、スミレは願うのでした。

     

    そして夕刻。

    エドワードと合流したスミレ達は、約束のとおり、案内役の男と街を見て回ります。

    街道に並ぶ露店に、フラフラと吸い寄せられるアーサー。

    すかさずエドワードが注意しますが、そのすきに男がスミレに声を掛けます。

    そして言葉巧みに、路地の中へと誘い込んだのです。

     

    直後、スミレは抜いた剣を一閃させました。

    路地では、スミレを襲おうと数人の男が剣を持って待ち伏せていました。

    スミレは鞘で案内役の男を牽制し、誰何の声を向けます。

     

    その頃、ある家のなかでは、窓の外を眺める男性にケイネスが話し掛けていました。

    「この街では、あなたのことも、あなたのお嬢様のことも気にする者はおりはしません」

    「ただ運が悪かったのです」

    慰めるような言葉に、男性は衝撃的なことを口にします。

     

    「運が悪かった……そうなのでしょうか」

    「我が娘リズィーは、それだけで死んだのでしょうか」

    彼は、第3話で、王妃でありながら不義を犯した罪で斬首刑となった、リズィーの父親だったのでした。

     

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    コールドゲーム(漫画最新話)10話の感想

    少女漫画家のなかではトップクラスだろう作者の実力を垣間見た

    今回も実に濃い内容となりましたコールドゲーム第10話

    表紙、巻頭カラーの美しさに目を奪われたあとは、ファンタジーでありながら史実ではないのかと疑いたくなるような本編に圧倒されます。

     

    そこかしこに張り巡らされた伏線はもちろん、確かな説得力をもった設定に何度も感心させられました。

     

    露見すれば処刑は免れないカミラの失踪を、ヒューズ家に話す理由。

    フラドルに行くとわかった際にアーサーから与えられた警告。

    読者の疑問をケイに代弁させ、それにスミレがはっきりと持論を述べることで外出の許可を得る流れ。

     

    どれも、きちんと論理を立てていなければ描写すらされないものでしょう。

    アーサーはどこまでも冷静で怜悧な人物ですが、スミレを気に入っているのかイレギュラーな出来事にも動じない器の大きさを持っています。

    多少の不都合はこのユニークな王が解決してくれますが、それも十分許容範囲に収まります。

     

    中国の兵法書である『孫子』に、彼を知り己を知れば百戦殆からずという言葉がありますが、作者はこういった書物、もしくは歴史書をしっかり読み込んでいるのではないでしょうか。

    例えば、ケイネスとの会話に『利の秤』を見出す点では、『商人』という仕事人の性質に思いを及ばせなければなりません。

    細かなことのように思えますが、こういった一つ一つの設定がしっかりと作られているので、物語に厚みがあるのではないかと感じさせられました。

     

    さて、本題ですが、行方不明になっているカミラはもしかすると亡くなっている可能性があります。

    それに気付かず、フラドルに入ったスミレたち。

    この時点ですでに、何か良くないことが起きそうな予感がしていましたよね。

     

    案の定、スミレは男たち数人に囲まれてしまいます。

    しかし、どうやらそれは、亡くなったリズィーに関わることのようです。

    カミラの逃亡を手助けしたのは、グレイ家なのでしょうか。

    そして、カミラがアルナ姫ではないとわかり、殺害してしまったのか。

     

    どこかで腹黒なアンが手を引いている気がしますが、とにかく次話で詳細は明かされるでしょう。

    楽しみに待ちたいと思います。

     

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